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2005年 10月 13日
キスまでの距離―おいしいコーヒーのいれ方〈1〉
村山 由佳 / 集英社 ISBN : 4087470598 おいしいコーヒーのいれ方シリーズの1作目。高校生の和泉勝利ことショーリの視点で語られる物語。いとこ姉弟と同居することになるが、その姉のかれんにショーリは惹かれ、恋心を抱くようになる…といった感じのお話。副題のコーヒーうんぬんにも関連しますが、喫茶店「風見鶏」とそのマスター、そしてマスターが淹れるとっておきのコーヒーが物語の重要な部分を担います。 この本はなんだか「風見鶏」が中心にあるような気もします。コーヒーのように、暖かく穏やかなのだけれども、空気をしっかり引き締める役割にあるような。なにより時間の流れ方が心地良いです。コーヒーってその味だけでなく、豆を挽いてドリップするとかそういう工程を通しての、そこに流れる雰囲気や空気、時間も味わえるものだと思います。この作者の文は、余計なものがなく足りないものもないような、スマートさのようなものが好きです。そこにコーヒーのイメージも合っているような。それに会話文の面白さが良い要素となっている気がします。
by es_t
| 2005-10-13 00:39
| 本
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